重要情報の80%は地方新聞にある AI・日経テレコンでは検出できなかった重大コンプライアンス違反事例 Case-1
日本信用情報サービス以外では収集できない情報
反社チェックというと、暴力団や反社会的勢力との関係を確認する作業と捉えられがちです。しかし実務の現場では、その理解だけでは足りません。
企業リスクの多くは別の領域から発生します。重大なコンプライアンス違反、死亡事故、行政処分、送検事案、労務問題、環境違反。取引判断に影響する情報の大半は、いわゆる反社情報の外側に存在しています。
ところが現在、多くの企業が導入している反社チェック・コンプライアンスチェックは、インターネット検索やAIによる抽出に依存しています。検索結果に表示された公開情報を収集し、整理して提示する。一見すると合理的に見えますが、この方法では実務上本当に重要となる情報には到達できません。
理由は単純です。企業リスクに関係する情報の多くがネット上に存在していないためです。
実際の調査で問題となる情報は、地方新聞の過去記事、行政処分情報、業界紙、送検記録、削除済み公開情報などに分散しています。一般的な検索エンジンやニュースデータベースだけでは、この領域は把握できない構造です。
企業活動に関係する事故や処分、送検といった報道の多くは地方新聞に掲載されます。全国紙中心の情報だけを追っても、実務レベルの調査には届きません。
調査現場では、重要情報の約八割が地方新聞から見つかると言われています。この領域に到達できない反社チェック・コンプライアンスチェックでは、確認したという事実だけが残り、判断に使える情報が欠落した状態に陥ります。
実際に、日本信用情報サービスが提供する反社チェック・コンプライアンスチェックデータベース「JCIS WEB DBⓇ Ver.3」を用いた調査で、その差が明確に現れた事例があります。
▲地方新聞は 日本信用情報サービス以外は 収集できていません
ほんとうにあった企業危機 JCISだから見抜けた実例 ①
ある法人について調査依頼を受け、法人名や所在地などの基本情報を基に検索を実施しましたが、一般的なインターネット検索では問題となる情報は見つからず、AIによるスクリーニングでも特段のリスクは表示されませんでした。しかしJCIS WEB DBⓇ Ver.3による検索では過去の送検事案に関する記録が検出され、さらに追跡した結果、労働安全衛生法違反による死亡事故に至っていた事実が判明しました。
事案の内容は地方新聞に掲載されており、高所作業において必要な安全措置が講じられていなかったことが原因とされ、作業者が死亡し、その後行政機関による処分が行われた経緯まで詳細に報じられています。
法人名、所在地、法人番号を照合した結果、対象法人との一致が特定され、過去記事を遡ることで事故の経緯、処分内容、関係者の送検まで一連の流れとして把握できる状態に至りました。
実際の調査は、おおよそ1週間を目安として進めており、基本情報による同一性判定を起点に、JCIS WEB DBⓇ Ver.3による行政処分情報や送検情報の検索、官報や行政機関公表資料の精査、地方新聞の記事調査、インターネット公開情報の把握、反社会的勢力との関係性の精査、さらに業種特性を踏まえたリスク分析へと段階的に進めています。
その過程で反社会的勢力との関係は認められませんでしたが、重大なコンプライアンス違反の履歴が浮上し、安全管理体制に課題が残っている可能性が高いと判断しました。このため改善状況の精査が不可欠となり、改善が確認できない場合には取引を推奨しないという判断に至っています。
AIや日経テレコンの検索では出てこない『地方新聞情報』
ここで重要なのは、この事案が通常の検索では見つからない公開情報に基づいている点です。AI検索でも表示されず、日経テレコンだけでも到達できない領域にあり、全国紙中心のデータベースでは把握できません。地方新聞、行政処分情報、過去記事、削除済み公開情報まで追跡できる仕組みがなければ、この事案は検出に至らなかったはずです。
▲地方新聞は 日本信用情報サービス以外は 収集できていません
現在市場にある多くの反社チェック・コンプライアンスチェックサービスは、検索技術の高さを強調します。AI搭載、ビッグデータ解析、ニュース連携といった分かりやすい言葉が並びますが、実務で結果を左右するのは検索技術ではなく情報源の範囲です。どれだけ高度なAIを用いても、存在しないものには到達できません。企業リスクに関係する重要な情報は、地方新聞情報が80%を占めます。
地方新聞だけに掲載される重要情報
反社チェック・コンプライアンスチェックの品質を決めるのは検索エンジンではなく、保有している情報の範囲です。地方新聞の収録範囲、行政処分情報の蓄積量、過去記事の追跡精度、同一性判定の精密さ。この差がそのまま調査品質を左右します。
反社チェックを実施しているつもりでも、到達できる情報が限られていれば、本当に重要なリスクは見逃されます。そして実務では、その見逃しが事故につながります。反社チェック・コンプライアンスチェックは形式ではなく実務です。チェックしたかどうかではなく、何を把握できたかで結果が変わります。この差を見極められるかどうかが、調査の質を分ける分岐点です。
転載元:日本信用情報サービス株式会社
コラム名:重要情報の80%は地方新聞にある AI・日経テレコンでは検出できなかった重大コンプライアンス違反事例 Case-1
