反社会的勢力と知らずに取引してしまった場合の対応

反社会的勢力と知らずに取引してしまった場合の対応

企業が健全な経営を行う上で反社会的勢力(以下、反社)との関係を持たないことは極めて重要です。しかし、十分な注意を払っていたとしても反社と気づかずに取引を行ってしまう可能性はゼロではありません。後日、その取引先が反社であると判明した場合、どのように対応すべきでしょうか。具体的な対応策について詳しく解説します。


まず、取引先に反社の可能性があると判明した場合、速やかに事実確認を行う必要があります。単なる噂や不確かな情報だけで判断するのではなく、具体的な証拠や公的機関の情報を元に慎重な対応が求められます。具体的な手順としては以下のようなステップで確認を進めます。

(1) 取引相手の情報を再確認する

○ 会社登記情報や代表者の身元を改めて精査する。

○ 取引開始時に実施した与信調査やバックグラウンドチェックの結果を再確認する。

○ 取引相手の事業実態を調査し、所在や活動内容が適切かどうかをチェックする。

(2) 反社チェック(データベース)や専門機関の照会を行う

○ 反社情報が記載されたデータベース(警察、信用調査会社、暴力団排除条例に基づく情報)を活用する。

○ 弁護士や警察・地方自治体の暴力団対策部署に相談しより確実な情報を得る。

(3) 社内のコンプライアンス部門や経営層に速やかに報告する

○ 取引先に関するリスク情報を経営陣に伝え対応方針を検討する。

○ 必要に応じて社内のリスク管理委員会を招集し組織的な対応を決定する。


取引先が反社であると確認された場合は速やかに取引を停止し、契約解除の手続きを進めることが不可欠です。特に契約書に「反社会的勢力排除条項」が盛り込まれている場合はそれに基づき法的に適切な形で取引を終了させることが可能です。

(1) 法務部門や弁護士と相談する

○ 反社との契約解除は慎重に進める必要があり独断での判断は避ける。

○ 解除の際に法的なリスクが発生しないよう専門家の助言を仰ぐ。

(2) 契約解除のプロセスを厳格に行う

○ 反社排除条項を適用し正式な文書により解除を通知する。

○ 書面での通知を行い口頭での交渉を極力避ける。

(3) 直接的な対立を避ける

○ 反社とのトラブルを回避するため、冷静に対応し挑発的な言動を慎む。

○ 必要に応じて警察や専門機関の協力を得る。


取引を停止するだけではなく関係当局へ適切に報告を行うことも重要です。反社との関係を疑われないためにも以下のような機関への相談・報告を検討しましょう。

(1) 警察の暴力団対策課

○ 反社との関係遮断に向けた助言を受ける。

○ 場合によっては警察が取引相手に対して警告を行う。

(2) 地方自治体の暴力団排除相談窓口

○ 自治体の暴力団排除条例に基づくサポートを受ける。

○ 取引相手に関する情報提供を求める。

(3) 弁護士(反社対応に精通した専門家)

○ 法的観点からの助言を受け適切な契約解除方法を確認する。

○ 万が一の訴訟リスクを回避するための対応策を検討する。


一度でも反社との取引が発生してしまった場合、同じ問題を繰り返さないようにすることが極めて重要です。以下のような再発防止策を導入しリスク管理を強化しましょう。

(1) 取引先の事前調査(反社チェック)を徹底する

○ 信用調査会社の情報を定期的に確認する。

○ 反社データベースを活用し新規取引開始前に必ずチェックを行う。

(2) 反社排除に関する社内研修の実施

○ 反社の特徴やリスクを理解し社員の意識を高める。

○ 万が一疑わしい取引先を発見した場合の報告フローを徹底する。

(3) 取引契約の見直しと強化

○ すべての契約書に「反社会的勢力排除条項」を明記する。

○ 条項が実効性を持つよう法的観点からの見直しを行う。

(4) 定期的なリスク管理の実施

○ 取引先リストを定期的に更新しリスクがないか再評価する。

○ 経営層が主導してコンプライアンス強化に取り組む。


反社と知らずに取引してしまった場合、迅速かつ適切な対応が求められます。まずは事実確認を行い取引の停止や契約解除を慎重に進めるとともに関係当局へ相談し企業としての信頼を守ることが重要です。また、再発防止策を徹底することで同じリスクを回避し健全な経営を維持することができます。
反社排除の取り組みは単なるリスク管理ではなく企業の社会的責任(CSR)としても不可欠です。日頃から徹底した対策を講じ万が一の事態に備えて適切な対応を迅速に実行できる体制を整えておきましょう。

リスク管理においては日本リスク管理センター「JRMC」の反社チェックツール(反社チェック・コンプライアンスチェック)を有効利用することで適切な管理を行う事ができます。

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