暴追センター”の役割と限界 ― 企業が本当に備えるべき反社チェックとは?
目次
【導入】暴追センターとは何か?
企業が反社会的勢力(以下、反社)との関係遮断を進める上でしばしば頼りにされるのが「暴力追放推進センター(以下、暴追センター)」です。暴追センターは都道府県ごとに設置された公益財団法人で警察と連携しながら暴力団排除のための相談・支援を行っています。
しかし、暴追センターが提供できる情報や支援には限界があることも事実です。企業が「反社と関係を持たない」ための実務的なチェック体制は企業自身が整える必要があります。本コラムでは暴追センターの役割とその限界を整理した上で企業が取るべき反社チェックの実務について詳しく解説します。

第1章:暴追センターの基本機能と企業との関係
暴追センターは暴力団排除条例や犯罪対策の一環として設立された公益法人です。都道府県ごとに設置されており警察のOBが在籍するなど強固な情報ネットワークを活かして市民や企業の相談に応じています。
✓ 主な機能には以下のようなものがあります。
● 契約解除支援:暴力団関係者と判明した相手との契約解除を後押し
● 相談対応 :脅迫や不当要求などの被害を受けた企業からの相談受付
● 啓発活動 :暴力団排除に向けた研修会やセミナーの実施
● 情報提供 :警察と連携し、被害者側に情報を提供することも
企業側が「反社かもしれない」と感じたとき暴追センターに相談することでアドバイスを受けられるケースもあります。また、暴追センターと「暴力団排除協定」を締結している企業も存在し、万が一の際の連携体制を整えることが可能です。
ただし、暴追センターの支援は主に「既にトラブルが発生している」「明らかな関与が疑われる」といった段階に限定されます。取引前の与信段階で「この企業は反社ですか?」という照会をしても基本的には回答を得ることはできません。
第2章:暴追センター情報の限界と“補完手段”としての反社チェック
暴追センターは公的な立場から運営されており個別の企業や人物が反社に属するか否かについて明示的な回答を出すことはできません。これは情報の秘匿性やプライバシー保護、捜査上の機密保持といった観点から当然の制約です。
そのため暴追センターだけに頼った反社チェック体制では以下のような“見落とし”が起こり得ます。
● フロント企業や名義貸し事例を把握できない
● 暴力団と明確に認定されていない“準構成員”の存在を見逃す
● 過去に反社と関係があった企業の変化を追いきれない
こうした情報のギャップを埋めるのが民間の反社チェックです。民間の反社チェックサービスでは新聞報道、反社関連訴訟記録、行政処分履歴、独自取材、業界のブラックリストなど幅広い情報を収集・データベース化しています。
第3章:企業が実践すべき反社チェックの実務ポイント
反社チェックは単なる形式的な手続きではなく企業価値を守る“防衛線”です。以下では、企業が取り組むべき実務的な反社チェックのポイントを紹介します。
1. 契約書への暴排条項の明記
まず基本となるのが契約書に暴力団排除条項(暴排条項)を明記することです。「相手方が反社会的勢力に該当した場合、通知により契約を解除できる」とする文言を入れることで取引リスクを軽減できます。
ただし、この条項があっても「相手が反社である」との証拠がなければ解除が困難なケースもあるため注意が必要です。
2. 取引前スクリーニングの徹底
初期の段階での反社チェックは極めて重要です。以下のような手法を併用しましょう。
● 反社チェックデータベースによる氏名・企業名の照会
● 商業登記情報や役員情報との突合
● Web検索やSNSの評判分析
「知っていれば避けられた」という事例が後を絶たないため初期の反社チェックはもはや常識です。
3. 取引開始後の継続チェック
取引開始時に問題がなくても相手先が途中で反社と関係を持つ可能性はゼロではありません。そのため定期的な再チェックを行う仕組みが求められます。
● 毎年1回以上の反社チェック(スクリーニング)
● 役員変更・社名変更・吸収合併などのタイミングで再度反社チェック調査
4. SNS・ネット上の風評リスク対策
近年では暴力団との関与がSNS投稿やYouTube動画などで暴露され、取引先企業のブランドが一気に毀損するケースも増加しています。検索エンジンやSNS上のネガティブ情報も「チェックすべき反社リスク」の一つと捉えるべきです。
5. 外部専門機関との連携
すべてを社内で行うには限界があります。そこで、反社チェックに特化した外部専門機関の活用が効果的です。
たとえば、日本リスク管理センターでは反社データベースに加え、調査員(*1)による深堀り調査や企業信用調査なども組み合わせた「ハイブリッド型」の反社チェックを提供しており多くの上場企業や金融機関で導入されています。
(*1) 調査員による調査は取次のみとなります。
第4章:暴追センターと企業の“すみ分け”と連携の可能性
暴追センターと企業の間には、以下のような“役割分担”が存在します:
| 項目 | 暴追センター | 民間企業・外部機関 |
| トラブル発生後の対応 | ◎ | △ |
| 取引前のスクリーニング | △ | ◎ |
| グレーゾーン情報の収集 | × | ◎ |
| 公的連携の強さ | ◎ | △ |
| 日常的な調査の実行性 | × | ◎ |
企業としては「平時の反社チェック」は民間の仕組みで対応し「有事の連携」は暴追センターに頼るという構えが現実的です。
また、暴追センター主催のセミナーや研修は社員教育や社内意識の醸成にも活用できます。自社のリスク感度を高める意味でも連携を断つのではなく「正しく使い分ける」ことが重要です。
【まとめ】暴追センターは「最後の砦」だからこそ事前の反社チェックが要
暴追センターは反社会的勢力の排除において重要な公的機関です。しかし、企業の反社対策はトラブルが起きてからでは遅く「予防医療」としての反社チェックが最も重要です。
暴追センターは「最後の砦」として頼れる存在ですが実務の最前線は企業自身にあります。だからこそ民間の反社チェック体制を整え自社を守る仕組みを日常的に運用することが求められます。 「反社チェックをコストではなく投資と捉える」姿勢こそが企業の信頼と価値を守る鍵となるのです。
リスク管理においては日本リスク管理センター[JRMC]の反社チェックツール(反社チェック・コンプライアンスチェック)を有効利用することで適切な管理を行う事ができます。

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